カルデナリン(ドキサゾシン)はα1遮断薬に分類されるお薬です。
適応症は高血圧、褐色細胞腫ですが、それだけでなく糖尿病、前立腺肥大、脂質異常症にも効果があります。
そんなカルデナリン(ドキサゾシン)について解説していきます。
効能・効果
- 高血圧症
- 褐色細胞腫による高血圧症

うさぎ
褐色細胞腫とは副腎に腫瘍ができる病気です。カテコールアミンを過剰に生産するため、血圧が上昇します。
作用機序
交感神経α1受容体遮断作用:血管平滑筋を弛緩させ、血圧を下げる

うさぎ
α1受容体を刺激すると交感神経が興奮し、血圧が上がります。
一方α2受容体を刺激すると交感神経が抑えられ、血圧が下がります。
この薬はα1選択制が高く、α2受容体にはほとんど作用しません。
その他の作用
- 血糖が上がるのを防ぐ作用
グリコーゲン分解を抑制、インスリン分泌促進作用による - 脂質代謝改善作用
脂肪分解酵素を上昇させる作用による - 前立腺肥大による排尿障害改善作用
前立腺、尿道のα1遮断作用により膀胱括約筋を弛緩させ、尿道を広げる(海外では適応あり)
注意事項・術中虹彩緊張低下症とは
- 飲み始め・増量時に
起立性低血圧が起こることがあります。
症状:立ちくらみ、めまい、脱力感、発汗、動悸、心悸亢進
症状があらわれた際は、仰臥位(ぎょうがい:あおむけ)をとらせるなどの処置を。
また、高所作業や車の運転など危険な作業は避けること。 - 眼科受診時、特に白内障の手術時は、カルデナリンを服用中であることを伝えること。

うさぎ
血圧低下がおきた時には、あおむけにして足を高く上げるとよいです。

くま
α遮断薬長期の服用で術中虹彩緊張低下症が起きます。白内障の手術をするときに虹彩がフニャフニャになってしまうそうです。これは一時服用を中止しても防ぐことができません。医師にこの薬を飲んでいることを必ず伝えましょう。
重大な副作用
失神・意識喪失、不整脈、脳血管障害、狭心症、心筋梗塞、無顆粒球症、白血球減少、血小板減少、肝障害、黄疸

うさぎ
ほとんど起こることはありませんが、念のため注意してください。
飲み合わせ(併用薬)
- 絶対に一緒に飲んではいけない薬(併用禁忌薬)はありません。
- ホスホジエステラーゼ5阻害薬により過度の血圧低下を起こすことがある。
- シルデナフィル(バイアグラ、レバチオ)
- バルデナフィル(レビトラ、スタキシン 、ビバンザ)
- タダラフィル(シアリス、アドシルカ、ザルティア)

くま
最近は勃起不全薬を個人輸入して使用する高齢男性の患者さんがおられるので、気を付けましょう。
その他
- 半減期が長いため、1日1回投与でOK
- 食事の影響は少ない
- 肝代謝
- 規格:錠、OD錠 0.5mg/ 1mg/ 2mg/ 4mg (2020.9現在)

うさぎ
かかりつけの医師、薬剤師の指示に従い、用法容量を守ってお飲みください。
参考
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